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首やワキ、鼠径部に多発する、肌色から褐色の、やわらかいできものです。
大きくなって、キノコのように(有茎性)なるものもあります。柱状や袋状、扁平のものなど色々な形があります。加齢による皮膚の変化です。
鼠径部や胸、背中にできるものは、首やワキのものと比べると、やや大きいものができやすく、数mmから数cmになるものがあります。大きくなると、ぶらさがるような形になることもあり、衣類の着脱時に引っかかったり、座るときに邪魔になったりして、皮膚科を受診される方が多いです。
40歳以上によくできる、皮膚の良性のできものです。てのひらや足の裏以外、どこにでも出来ますが、顔や胸、背中に出来やすい傾向があります。通常はかゆみや痛みなどの自覚症状はありませんが、出来始めにかゆみを感じる方もいらっしゃいます。最初のうちは、茶褐色のシミのようですが、徐々に盛り上がってきます。シミからイボが出てきたと言われる方が多いのはそのためです。
まぶたやワキなどでは、有茎性になり、ぶらさがるような格好になるものもあります。
ヒトパピローマウイルスによる感染症です。ウイルスが表皮の細胞に感染し、細胞が増殖し、盛り上がってきて硬くなります。主に手足にできますが、顔面に生じることがあります。脂漏性角化症と似ているため、区別がつきにくいこともあります。顔や頭にできるものの中には、糸の様に細長くなる(糸状疣贅)ものもあります。
もともと存在する脂腺(しせん:皮脂を分泌する腺)のところに生じた皮膚の小さいできものです。通常は中年から高齢にかけて生じる、老人性脂腺増殖症を指しますが、まれに思春期や家族性に発症することもあります。
おでこや頬、鼻の周囲にできる直径1〜5mm、10mm以上になる黄白色、白色の小さく盛り上がったできものです。でこぼこしている印象があり、また、できものの中央に凹みがあります。おでこや頬にぱらぱらと単発していたり、目の下から頬にかけ多発していたりします。時々、できものから皮脂が排出することがあり、押したら白いものが出てきたと言われる方もいますが、次に説明する稗粒腫(はいりゅうしゅ)とは別のものです。脂性肌の人に生じやすいできものです。
直径1〜2mmくらいの、白から黄白色の硬い小さなできものです。軟毛の一部ができものとして生じたもの、または破壊された汗管や毛包、脂腺、表皮が袋状に増殖したものです。
まぶたや頬、おでこに出来やすいです。自然になくなることもありますが、年齢と共に増えていきます。人によっては治療をしても、また出てきたりと体質も関係があります。
汗を出す器官であるエクリン汗管の増殖が原因です。直径1〜2mm大の大きさで、やや平坦に盛り上がっている黄褐色の小さいできものです。中年の女性に多くできますが、思春期以降から下まぶたに生じ、多発する傾向があります。たるみがでてくると、急に目立つようになります。女性ホルモンの関与が指摘されています。頬や、ワキ、お腹にも生じることがあります。
有茎性でキノコのようになっているものは、保険診療で切除可能です。皮膚に平坦にくっついているようなものや、キノコ状ではあるものの、根本が太いものは、保険診療での液体窒素による凍結凝固療法で治療できます。ただし、時間がかかること、色素沈着しやすいことが難点です。自費診療では、炭酸ガスレーザーによる除去が可能です。
軟性線維腫同様に液体窒素による凍結凝固療法で治療可能です。ただし、上記同様に時間がかかる、色素沈着のリスクがあります。炭酸ガスレーザで除去が可能です。
液体窒素による凍結凝固療法で治療を行います。のみ薬やぬり薬を併用することもあります。1ヶ月に4回まで、保険診療で凍結凝固療法が可能です。自費診療でレーザー治療を行っている施設もあります。(感染の面から、当院では行っておりません。)
液体窒素による凍結凝固療法の治療も可能ですが、治りにくい印象があるため、当院では炭酸ガスレーザーでの治療をおすすめしています。
針で穴をあけ、押し出します。光沢のある白く丸いできものが排出されます。深いものは、自費診療になりますが、炭酸ガスレーザーを使用し除去します。
液体窒素による凍結凝固療法、切除術、皮膚剥削術などがあります。炭酸ガスレーザーによる治療が可能です。
お顔のできものは上記以外のできものもたくさんあります。診断がつかない場合や悪性の可能性がある場合は詳しい検査が必要です。
この記事が皆さんにとって少しでも有益な情報となれば幸いです。
【参考文献】
最新皮膚科学大系
皮膚科学第10版
炭酸ガスレーザー治療入門第2版
美容医療を受けてみたいと思ったときに読む本